小学生が英語を好きになる学びのポイント

2020年から小学校5年生、6年生を対象に英語が教科としてスタート。3年生、4年生では外国語活動が必修化されます。

英語の教科化については賛否両論ありますが、小学生向けの英語教材は増えてきました。そこで「何から始めたらいいのかわからない」という方のために、ここでは小学校での英語教科化に向けて、家でも取り入れられる学びのポイントをご紹介します。

 

 

1. 小学生だからこそ音から英語に近づける

小学生教室

 

個人差はありますが、一般的に、低年齢であるほどに対して敏感だと言われています。

 

小学校では「音」を重視して「聞く」「話す」が中心の学びが行われています。英語が教科化されてもこの傾向は続きますが、5年生、6年生になると「読む」「書く」活動も加わってきます。

 

 

1.1 教室では何が行われていく?どんな英会話表現を学ぶ?

教室で小学生がどんなことを習うか、イメージがわかない方も多いのではないでしょうか。文部科学省のホームページで教材のサンプルが公開されていますので、その内容から概要をお伝えします。


●3年生

How are you?、How many~の表現、What do you like?/I like~などの表現を学びます。また、アルファベットも学びます。英単語や英文は書かれていますが、表現を使って会話したり、クイズや歌、チャンツ(単語や文章をリズムにのせて歌うもの)はほかの学年でも取り入れられていますが、3年生では特に多く取り入れられています。


●4年生

Do you have~What do you want?、What time is it?の質問とその答え、お気に入りの場所を紹介する表現、アルファベットの大文字小文字などを学びます。


●5年生

1月、2月などの月の名前や数字、What do you have?で時間割を尋ねる表現、I can~、What would you like?などを学びます。使いたい単語をテキストを見ながら書き写す活動が含まれています。


●6年生

5年生までに習ってきた内容を踏まえた長めの自己紹介、日本文化の紹介、自分たちの町、地域の紹介、夏休みの思い出の紹介などに関わる表現が含まれています。書く活動が含まれています。


サンプルを見てみたいという方は文部科学省の「新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について」(2018年9月26日)をチェックしてみてください。

 

 

1.2 学校での学習を深める家での勉強―「楽しいゲーム」で終わらせない

上記でご紹介した内容を見て、どう感じましたか?ゲームや歌だけだと思っていたらいろんな表現を学ぶんだ!と驚かれた方も多いと思います。では、小学生が家で学ぶときにはどんなことに気をつけたらいいでしょうか。


(1) 「楽しいゲーム」で終わらせない
ゲームや歌は音として情報が入ってきて、文法を意識しなくても口に出すことができます。でも、ゲームや歌はあくまで手段。教室でのゲームで勝ち続けることと、英語の音に馴染むことは違います。

 

そこで、音に敏感な年齢での学びだからこそ、英語の音は日本語とどんな違いがあるのかを意識した学びを取り入れることをおすすめします。
例えば、外来語を思い浮かべてください。「バナナ」と日本語で言うのと英語でbananaというのとでは違いますよね。英語の音の性質に気づけるような学びを意識することが大切です。教材については後でご紹介します。

 


(2) 「伝えたいこと」を持つ意識
小学生の教材には、親しみやすい表現、簡単な英単語が多く使われています。ただ、お子さんによっては教材の中に紹介されている表現では自分の本当の気持ちを伝えられないことがあります。

例えば、What sports do you like?と聞かれて、その場ではI like soccer.と答えるかもしれません。でも、本当のところは、サッカーが好きでないのなら、その表現は絶対に日常生活で使わないですよね。自分の実際の状況とかけ離れたことを言わされると英語そのものが嫌になってしまいがちです。卓球が好きだったら、ping-pongの表現を調べて使えるような教材、学び方を取り入れてほしいと思います。

家では、学校で学んでいる表現をベースにしながらも、単語の難易度に縛られすぎないで、お子さんが伝えたいことを伝えられるようになる工夫をしてみてください。教材の活用については次に詳しくご紹介します。

 
 

2. 家での教材活用法―「子どもが伝えたいこと」を伝えられるように

女の子

 

1でご紹介したように、英語のゲームや歌はあくまで手段。子どもが伝えたいことを伝えられるように、より相手に伝わりやすい音で伝えられるようにするためには、学校の教材はもちろん、動画やアプリも活用することをおすすめします。

 

 

2.1  教材は音声必須―無料動画やpodcast、アプリを併用するのがおすすめ

学校で使う教材の音声は、教室内ではみんなで聞きますが、家に帰って復習しようとしてもCDなどが付いていない限りは、自己流で声に出すしかありません。無理に学校の教材を自己流で復習するよりも、音声付きの別教材を用意することをおすすめします。「小学校英語 教材」あるいは「児童英語 教材」で検索してみてください。月額700円程度から、タブレットを使った教材もあります。

 

小学生は「音」を中心に学びますが、長い目で見た時には「フォニックス」に関する教材を取り入れるのがおすすめです。フォニックスとは、発音と綴りの関係・ルールを示し、正しい読み方を身に付ける方法。フォニックスの教材は、英語の音を意識するのに役立ちます。例えば、英語には日本語と違って、たくさんの種類の母音があります。同じ「ア」の音でも口を大きく開けて声に出す音と、のどの奥から短く「アッ」と言う音、「ア」と「エ」の間のような音などさまざまな音があります。

そういった日本語にない音を意識しながら、その綴りもあわせて身に付けるのは効果的だと言われています。「フォニックス」あるいは「phonics app」で検索すると動画やpodcast、アプリがヒットします。無料のものが多いので、音声付きの教材を買うのはちょっと・・・という方は、こちらから試してみてはいかがでしょうか。

 

2.2 レベルは柔軟にとらえて!中学校以降の教育課程も見据えて―英検や辞書のすすめ

小学校の教材の中では、書いたり読んだりする活動は少なめです。しかし、フォニックスを学べば、綴りを意識するようになりますし、ある程度長い例文が出てくるとその文字を読む機会も避けられません。「音」を第一に考えながらも関連する「読み」や「書き」は学習に取り入れていくという意識をもつといいですよ。

 


(1) 英検を意識した学びも
試験内容がリスニングだけの英検Jr.という試験があります。これは小学校の外国語活動に対応していて、学校現場でも活用されています。

さらに、教材の中には小学校英語から英検対策(英検は5級から)まで視野に入れているものもあります。これらの教材は、「聞く」だけでなく、「読み」「書き」「話す」も身につくように工夫されています。
英検は中学校、高校での学びともつながっています。小学校英語だけを学ぶというよりもレベルは柔軟にとらえて、英検Jr.や英検関係の教材を活用するのがおすすめです。

 


(2) 英単語の調べ方をマスターする
教材に登場した英単語だけでは、伝えたいことを言えないというお子さんもいると思います。そこで、「和英辞典」の活用をおすすめします。

小学生に辞書なんて!と思われるかもしれませんが、最近は子どものためにすべて平仮名表記の和英辞典もあります。「子ども 和英辞典」で検索してみてください。

自分の言いたいことを調べて、習った表現に当てはめて使うことが英語嫌いにならないコツです。英語を話すためには、話す中身をしっかり持つことが大切です。辞書を使うことで自分の伝えたいことを言えるようになる体験を重ねてください。

 

 

3. まとめ―小学生から英語を学ぶときは、「音」と伝えたい気持ちを大切に

男の子

 

小学生が英語を学ぶ時には、「音」を意識しながら、音声付きの教材やフォニックスを活用することをおすすめします。レベルは柔軟にとらえて、自分の好きなことを調べて使えるようにするなどの工夫を。また、英検を活用すると、中学校以降の学びにも確実につながります。

 

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