リアルな英語表現に触れて実用的な力を身につける勉強として、英語のニュースを使った学習方法があります。スラングなどの砕けた表現が少ない英語で、また興味のあるさまざまなトピックを勉強できるのもポイント。
英語ニュースはリーディングだけでなく、聞き取り練習によるリスニング力強化や、使い方によってはライティング・スピーキングなどのアウトプットの勉強も可能な、優れた教材です。
今回は英語ニュースを使った勉強方法と、おすすめのニュースサイトやアプリをご紹介します。
1. ニュースで英語の勉強をする5つのメリット
英語ニュースを使った勉強はメリットがたくさんあり、使いこなせれば、英語力を飛躍的に高めることができます。まずは、英語ニュースを使った勉強のメリットを見てみましょう。
1-1. 学習ジャンルを絞りやすい
ビジネス、スポーツ、芸能、政治経済など、ニュースは自分の好き・得意なジャンルを狙って選びやすいのが魅力。同じ英語でも分野によってよく使われる単語・表現は異なるため、ひとつのジャンルに絞って学習した方が効率が良いのです。
また好きなジャンルの場合、専門用語を知っていたり、日本語でそのニュースをすでに知っていることも多く、文脈から内容を予測できるケースも増えます。楽しく、効率良く勉強を進められるのがメリットです。
1-2. スキマ時間で学習できる・習慣化しやすい
多くの媒体がウェブサイト上でニュースを公開しており、また英語でニュースを見られるアプリも多数あります。スマホでどこでも読める・リスニングできることから、通勤・通学中などのスキマ時間で学びやすいです。
また、英語ニュースは学習の習慣化に役立つのがメリット。朝・夜のニュースチェックを一部でも英語にすれば、初心者でも英語の読み聴きを習慣化しやすいです。音声付きのニュースもあるので、耳が空いてさえいれば、ラジオ感覚で英語のリスニングができるのもポイントです。
1-3. 最新のリアルな語彙・表現を知ることができる
最新のニュースで使われる語彙や表現は、現代的で実用的な英語です。また、あるジャンルに特有の表現やトレンドに触れられるのも大きなメリットです。スラングが少なく、明瞭で分かりやすいのもポイント。
古典小説や古いノンフィクションなどの書籍の場合、現代では一般的でない表現が登場することもありますが、ニュースの場合、そういった心配はほとんどありません。
1-4. 英語で海外の最新情報を収集できる
英語でニュースが読めるようになると、最新のIT技術など、海外で発展している分野に関する情報をいち早く手に入れることができます。普段から海外の経済・技術などについてのニュースに触れることで、学問や仕事に役立つ最新情報を得ることができます。
1-5. コストが安い
多くのニュースサイトはコンテンツを無料で公開しています。ニュースアプリも基本無料で十分使えるものが豊富です。また、手頃な価格で非常に充実した学習機能を提供している有料サービス・アプリもあります。学習にかかるコストが安いのも、ニュースで学習するメリットの1つです。
2. ニュースを使った英語学習のコツ4つ
次は英語ニュースでどんな学習をするのが効果的なのか、使い方のコツをご紹介します。ニュースといえば読み物のイメージが強いですが、他にもかなり多角的なトレーニングが可能です。
2-1. 日本語で知っているニュースの英語版を使う
海外のニュースを読む自信がないという初心者の方におすすめなのが、日本国内ニュースの英語版や、海外で報道される日本についてのニュースを使った学習です。
すでに日本語で知っているニュースや馴染みのあるトピックの方が、内容を把握している分、英語の読み取り・聴き取りに集中できます。また、知らない単語や表現が登場した時も、ニュースの内容を知っていれば文脈から意味を推測しやすくなります。
結果的に英語の理解に集中して勉強できるので、まず国内ニュースの英語版から始めてみましょう。英語力に自信がなければ、日本語対訳付きのものから始めるのもおすすめです。慣れてきたら、海外のニュースを読んで勉強するのがよいでしょう。
2-2. なるべく音声とスクリプトのあるものを選ぶ
英字新聞や文章主体のニュース記事は、なるべく音声が聴けるものを使うこと。ニュース映像の場合は、音声を文字起こししたスクリプトがあるものを選ぶのがコツです。
・文章と音声を組み合わせて音読練習ができる
・音声だけで聴き取り、書き取りしてみて、文章で答え合わせをする
・聴き取れない部分でどんな語彙が使われているか確認しやすい
文章・音声・映像の組み合わせでさまざまな練習ができ、苦手な部分の対策もしやすいので、英語ニュース記事はなるべく音声と文章がセットで使えるものを選びましょう。
2-3. 多読・精読・音読を使い分ける
ニュースはリーディング練習に最適。同じ「読む」でも、さまざまな方法を使い分けて学習するとよいです。
・辞書なし、読み飛ばしでも読めるレベルの文章を大量に読む → 多読
・知らない単語や構文を調べながらじっくり読む → 精読
・正しい発音やイントネーションを意識しながら声に出して読む → 音読
英語ニュースでの学習は黙読が多くなりがちですが、複数の読み方を組み合わせましょう。特に記事を多読をするためには、難しすぎず、興味のある分野のニュースを選ぶのもポイント。
2-4. 感想や要約を英語でやってみる
ニュースを見た感想や内容の要約、分かったことなどを英語でアウトプットすれば、ライティングやスピーキングの訓練にもなります。
書いた感想・要約をオンライン英会話や英会話スクールの先生に添削してもらったり、ニュース記事を英会話の話題にすればさらに効果的です。英語ニュースは使い方によって、さまざまな英語力を高められます。
3. 英語学習者におすすめのニュースサイト5選
ここでは、ニュースを使って英語を学ぶのにおすすめのウェブサイトをご紹介します。英語勉強初心者の方でも使いやすいサイトがありますので、ぜひ活用してみてください。
3-1. The Japan Times Alpha
引用:https://alpha.japantimes.co.jp/
日本在住の外国人向けにニュースを配信するウェブサイトが「The Japan Times」。同社が提供する英語学習者向けのコンテンツが「The Japan Times Alpha」で、最新の時事英語を題材にした多読を通して、実践的な英語力の習得を目指すのがコンセプトです。
さまざまなジャンルのニュース記事を、単語・表現の注釈付きで読むことができ、また重要な単語・文法の解説コーナーもあるので初級者でも使いやすいのがポイント。
試験対策やライティング・スピーキングなど、特定の英語スキルを鍛えるエクササイズや学習記事も掲載。時事ニュースで教養を高めつつ、英語力を多角的に高められるサイトです。
上級者の方は、語彙レベルや英文難易度の高いThe Japan Times本誌に挑戦してみてください。
3-2. News in Levels
引用:https://www.newsinlevels.com/
ひとつの記事を3段階のレベルで書き分けて掲載しているニュースサイト。YouTube動画で音声も合わせて聴けるので、自分のレベルに合わせてリーディング・リスニングの練習ができます。
1記事の長さが短めで、スキマ時間にサクサク学べるのが魅力。現在の英語力を測るTESTも掲載されています。また、アプリ版もリリースされているのでぜひ活用してみてください。
3-3. VOA Learning English
引用:https://learningenglish.voanews.com/
アメリカの国営放送局「Voice Of America」が、非ネイティブスピーカー向けに提供している英語学習サイトが「VOA Learning English」です。
全編英語ですが、読み上げ音声が全体的にゆっくりなので、英語を学びたての初心者や、アメリカ英語を中心に学びたい人におすすめのサイトです。
アプリ版もあり、音声の文字起こしスクリプト、再生速度変更、自動繰り返しなど、サポート機能が非常に充実しています。本格的な英語オンリーのニュース学習の入門に最適です。
3-4. BBC Learning English
引用:http://www.bbc.co.uk/learningenglish/
イギリスの国営放送BBCによる英語学習サイトで、日本語解説はありませんが、コンテンツが非常に充実しています。本格的なイギリス英語の入門におすすめのサイトです。
「6 Minute English」「6 Minute Grammar」「6 Minute Vocabulary」「English In A Minute」など、短時間で学べる番組も充実。通勤中などのスキマ時間で学びやすいのも嬉しいポイントです。公式アプリもリリースされています。
上級者の方はBBC本サイトで、より難易度の高い本格的な英語ニュースで学べます。英語力に自信がある方はぜひご覧ください。
3-5. CNN10
引用:https://edition.cnn.com/cnn10
アメリカ最大級のニュース専門サイトCNNが制作する、アメリカの中高生向けの10分間の短いニュース番組。中高生とはいえネイティブ向けなので、音声はナチュラルスピードで、本格的なアメリカ英語を学ぶのに最適です。
学生向けということで、取り上げられるトピックの歴史的背景や予備知識などの解説もしっかりしており、短時間でもとても勉強になる内容。
英語力に時間があれば、CNNの本ニュースはアメリカ国内以外の世界的トピックを豊富に扱っているので、飽きずに学ぶことができます。
4. 英語ニュースアプリのおすすめ4選
最後に、英語ニュースで学べるおすすめのアプリをご紹介します。場所・時間を問わず使いやすく、習慣化しやすいのがメリットです。
4-1. POLYGLOTS
引用:https://www.polyglots.net/
BBC、New York Times、Huffington Postなどの大手海外メディアに掲載されたニュースを、英語学習に特化した機能を使って学べる人気アプリ。
ワンタップで単語の意味を調べられる辞書機能や、調べた単語を登録して単語帳を作ることもできます。また「TOEICによく出る単語リスト」も収録され、スペリングテストも可能。ニュース記事が読めるだけでなく、単語学習アプリとしても優秀です。
18ジャンルの多様なニュース記事を読めるだけでなく、ネイティブによる読み上げ音声を聞くことも可能。単語・フレーズの発音の確認や、リスニング力強化など、単なるリーディング教材にとどまらない、さまざまなトレーニングができるおすすめアプリです。
4-2. ざっくり英語ニュース!StudyNow
引用:https://apps.apple.com/jp/app/id934785989
President、日経トレンディ、DIMEなどの有名メディアの掲載ニュースをネイティブ英文で学べるニュースアプリ。ニュースはヘッドライン+3行のコンパクトサイズにまとめられており、スキマ時間で学びやすいのがメリット。
全記事に日本語翻訳・音声・解説がつくので、初心者でも安心して学べて、リスニング教材としても使用できます。全機能を使うには有料登録が必要ですが、月額360円と手頃なので、無料部分で物足りなければ登録しましょう。
4-3. LissN
引用:https://apps.apple.com/jp/app/id991262185
日本経済新聞など、日経グループの主要ニュース記事を日本語・英語の両スクリプト付きで配信するニュースアプリ。読み上げに音声にアメリカ・イギリス英語両方のネイティブスピーカーを採用しているのも、他のニュースサイトでは珍しい魅力です。
国内媒体のニュースが中心なので、トピックが身近で英語でも理解しやすいのがポイント。全記事を見るには980円の月額登録が必要なので、まずは無料で試してみましょう。
5. まとめ
英語ニュースは使い方次第で、リーディング力に限らず英語の総合力を高められる素晴らしい教材になります。
現在はスマートフォンのおかげでどこでも気軽に英語ニュースで学べるようになっていて、とても習慣化に向いています。無料で学習できるコンテンツも豊富なので、今回の内容を参考に、ぜひ普段の学習に取り入れてみてください。