「英熟語がなかなか覚えられない」という悩みは多くの英語学習者が抱えるもの。
中学や高校の英語の授業では、覚えなければいけない熟語が多数存在しますが、似ている熟語がたくさんあってなかなか覚えられませんよね。
熟語の覚え方まで解説してくれる英語の先生も多くありませんし、「どうやって熟語を覚えたらよいのだろうか……」と悩んでいませんか?
そこでこの記事では、英熟語の重要性やおすすめ勉強法を徹底解説してきます。
また、おすすめの参考書とアプリもご紹介しますので、英熟語学習の参考にしてみてください。
Contents
1. 英熟語の重要性
そもそも、なぜ英熟語を覚える必要があるのでしょうか?
「英単語さえ覚えていれば、会話で困ることはないのでは?」と思うかもしれませんが、英会話において英熟語を覚えることは非常に重要です。なぜなら英熟語を使うことで、難しい英単語を簡単な熟語で言い換えることができるからです。
例えば「(困難を)乗り越える」と言う意味の「surmount」という英単語。少し難しい表現ですが、英熟語で言い換えると「get over」となり非常に簡単な表現になります。
ネイティブスピーカーも、日常的にはこのようなシンプルなイディオムを使って話すことが多いのです。
難しい英単語を簡単に言い換えられる英熟語は、私たちの会話をスムーズに、そしてシンプルにしてくれるので、非常に重要なものといえるでしょう。
2. 英熟語はなぜ覚えにくいのか
英熟語の暗記を苦手としている人は多いですよね。では、なぜ熟語は単語に比べ覚えにくいのでしょうか。
それは似ている熟語が多いのが大きな理由です。
例えば「take」という単語だけでも、
・take off =(服など)を脱ぐ、離陸する
・take in =(ものなど)を(中に)取り入れる
・take on =(仕事や役割)を引き受ける
・take over =(仕事や役割)を引き継ぐ
など、たくさんの熟語を作ることができます。
前置詞が違うだけなので、全て覚えて使い分けるのはなかなか難しいです。このように同じ単語を使った熟語がたくさんあるので、英熟語に対して苦手意識を持つ人が多いのです。
3. 英熟語を覚えるためのおすすめ勉強法
英熟語を覚えるためのおすすめ勉強法は以下の4つ。
・同じ単語を使った熟語は、前置詞の意味から攻める
・カテゴリーごとに覚える
・実際に自分で例文を作ってみる
・エピソード記憶を利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 同じ単語を使った熟語は、前置詞の意味から攻める
熟語の暗記をする上で困るのが、同じ単語を使った表現がたくさん存在すること。
なので熟語を覚えるときは、それらをノートなどにまとめて、一覧にして覚えるのが効果的です。そうすることで、前置詞の違いによって意味が変わっていることを簡単に確認できます。
※英熟語は「動詞+前置詞」のものだけではありませんが、ここでは多くの人が混乱しがちな「動詞+前置詞」の熟語の覚え方を解説していきます。
例えば先ほどご紹介した、「take」という動詞を使った熟語。
take off =(服など)を脱ぐ、離陸する
「off」 のイメージは「分離」。何かから完全に離れているというイメージのある語のため、「(服など)を脱ぐ、離陸する」という意味になります。
take in =(ものなど)を(中に)取り入れる
「in」のイメージは「容器や箱などの中」。「中」や「内部」といったイメージを持つ語であるため、「(ものなど)を(中に)取り入れる」という意味になります。
take on =(仕事や役割を)引き受ける
「on」のイメージは「密着、接触」。「手の上に仕事や役割が接触しているイメージ」から「(仕事や役割)を引き受ける」という意味になります。
take over =(仕事や役割)を引き継ぐ
「over」のイメージは少しわかりにくいですが、「何かの上に円弧を描く」ようなイメージです。「over」の「円弧を描いてこちらに(仕事や役割が)向かってくる」というイメージと「take」の「何かを手にして自分に取り込む」というイメージから、「(仕事や役割)を引き継ぐ」という意味になります。
このように、前置詞のイメージをしっかり理解していれば、熟語の意味を丸暗記しなくても、大体の意味を想像できるようになります。
単純に意味だけを丸暗記しようとすると「以前勉強した熟語と何が違うのだろう?」と悩んでしまい、何度も見返すことに。なのでひとつの単語から派生する熟語は、リスト化してまとめて覚えるようにするのがベストです。
前置詞のイメージは文法書で勉強したり、インターネットで検索して調べたりするなど、さまざまな方法で工夫しながら覚えるようにしてみましょう。イメージで英熟語を覚えることで、英語学習がただの暗記作業ではなくなるため、勉強がどんどん楽しくなってきます。英語学習初心者の方はぜひ取り入れてみましょう。
3-2. カテゴリーごとに覚える
カテゴリーごとに覚えるのもおすすめの勉強法のひとつです。英熟語をカテゴリーごとに分け、シチュエーションをイメージしながら覚えていくと、スッと頭に入っていきます。
例えば熟語を「恋愛」というカテゴリーで分けると
・ fall for ~ (~に恋に落ちる)
・ get along with ~ (~とうまくやっていく)
・ break up with ~ (~と別れる)
のようになります。
それぞれの熟語に関連性があるので、効率よく覚えることができます。そのほかにも「ビジネス」や「電話」などさまざまなシチュエーションで英熟語を分けて覚えてみてください。
3-3. 実際に自分で例文を作ってみる
熟語を単語帳やノートで覚えたら、その熟語を使って英作文をしてみましょう。自分で例文を作ることで、実際に英語を話すときにフレーズが口から出やすくなります。
ポイントは長すぎる文章を作らないこと。人間が短期記憶として暗記しやすい語数は7語以下の文章といわれています。
例えば、look forward to ~(~を楽しみにする)なら、
(私は誕生日が楽しみです。)
のように、現実の自分の状況に当てはめながら、シンプルな例文を作ることで、効率よく記憶に英熟語を定着させていきましょう。
3-4. エピソード記憶を利用する
似たものが多数存在する英熟語。これらを丸暗記するのはなかなか骨の折れる作業です。
そこで意識していただきたいのがエピソード記憶を利用するということ。丸暗記だけでは覚えることが難しい熟語も、自身のエピソードにひもづけて暗記をすることで、暗記効率がどんどん上がっていきます。
おすすめの方法は、英熟語のニュアンスをインターネットで調べてノートにまとめること。
英熟語を解説しているサイトでは、その熟語のイメージを画像などで説明してくれているため、暗記の手助けとなる情報にたくさん触れることができます。
また、覚えたい英熟語で画像検索をかけてみましょう。「その熟語を覚えるのに役立ちそうな画像を探す→ノートにその画像の絵を描く」という作業をすることで、その熟語に関しての記憶が一気に強固になるのでおすすめです。
4. 熟語を学習できるおすすめ参考書5選
英熟語を勉強するなら、熟語帳を使うのもおすすめ。ですがたくさん種類がある中から自分に合ったものを選ぶのは大変ですよね。
そこでここからは、大学入試対策でよく使われている、熟語学習におすすめの5冊をご紹介します。
・『英熟語ターゲット1000』(旺文社)
・『ユメジュク』(アルク)
・『速読英熟語』(Z会出版)
・『システム英熟語』 (駿河文庫)
・『解体英熟語』(Z会出版)
『英熟語ターゲット1000』(旺文社)
引用:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/033949
英熟語帳の定番といえばこの1冊。amazonのランキングでも常に上位の英単語帳「ターゲット」シリーズの熟語バージョンです。
センター試験レベルの基礎的な熟語を収録。それぞれの熟語に対し意味や解説、例文が付いており、覚えやすい熟語帳となっています。
「本で勉強するのは苦手……」という方にはカードタイプもおすすめ。単語カードのようにめくりながら覚えられるので、ゲームのような感覚で定着率もアップします。苦手な表現だけを抽出して持ち出せるのも嬉しいポイントです。
また、フレーズの音声が聞けるCDも販売しているので、リスニング対策もしたい方はあわせて購入することをおすすめします。
『ユメジュク』(アルク)
引用:https://ec.alc.co.jp/book/7010061/
1000の英熟語を掲載した『ユメジュク』。
英語学習者がつまずきやすい多義語も200フレーズ収録されており、英語表現の幅が広がります。
こちらの英熟語帳はフレーズが聞けるCDが付属。「熟語」と「例文」が流れるので、聞きながらテキストを読んだり、実際に真似て音読してみたり、とさまざまな学習方法が可能です。
また、レベルアップのための「ちょい難熟語」も記載されているので、語彙力を伸ばしたい方にもおすすめの熟語帳です。
『速読英熟語』(Z会出版)
引用:https://www.zkai.co.jp/books/sokutan6/
英文を読みながら熟語を学習できる『速読英熟語』。文脈を追いながら熟語に触れることができるので、知らない熟語であっても理解しやすく印象に残りやすいのが人気の理由です。本書に掲載されている長文は、興味深いトピックのものが多いので、長文が苦手な方でも読みやすい内容となっています。
各熟語の同義語や反意語も載っているので、関連語をまとめて覚えることが可能。また、巻末には基本的な文法知識や語法も掲載されているので、全般的な英語知識が身につきます。
『システム英熟語』(駿河文庫)
引用:https://www.sundaibunko.jp/contents/book/936/
大人気の単語帳『システム英単語』の熟語編であるこちらの1冊。他の熟語帳と違う点は、「暗記」よりも熟語の「構造の理解」に重点を置いていること。熟語の理解に大切な前置詞の解説が多く掲載されているので、似ている熟語でも違いがすぐに理解できるようになります。
1つの動詞に対し複数の前置詞が組み合わさってできる熟語は、構造の理解をしてしまえば、暗記はそれほど難しいものではありません。暗記が苦手な方におすすめしたい参考書です。
『解体英熟語』(Z会出版)
引用:https://w.atwiki.jp/zwiki/pages/263.html
『解体英熟語』は、問題集と参考書が合わさったような1冊。熟語の暗記をしながらドリルの問題を解くことができるので、自分の覚え切れていない熟語や苦手なフレーズがよくわかります。
解説部分では熟語の暗記をする際のコツを紹介。効率よく覚えるためのヒントがたくさん書かれていますよ。また巻末には「前置詞整理ノート」が付属。辞書や辞典のように調べながら学習することができます。熟語の勉強をサポートする配慮がたくさんなされている熟語帳です。
5. アプリで熟語を学習するなら「ターゲットの友1000」がおすすめ!
「参考書で勉強するのが苦手……」という方には熟語学習アプリ「ターゲットの友1000」がおすすめ。
スマートフォンさえあればどこでも勉強ができるので、通勤中や通学中、ちょっとした空き時間に熟語学習が可能です。
音声もアプリに収録されているので、リスニング対策にもぴったり。クイズ形式のミニテストで、無理なく継続して勉強することができます。間違えた熟語もアプリが記録してくれるので、復習も簡単。
受験生だけでなく、TOEICなどの勉強をしている社会人の方にもおすすめしたい英熟語学習アプリです。
6. まとめ
英熟語の暗記に苦手意識を抱いている方はたくさんいらっしゃいます。実際、暗記しづらいものであることは確かですが、工夫をして勉強すればそれほど難しいものではありません。
ネイティブがよく使うかっこいいスラングや面白いイディオムもあるので、勉強していくと熟語の勉強がどんどん楽しくなってきますよ。表現の幅を広げるためにも英熟語学習に本気で取り組んでみませんか?
この記事を参考に、自分の英語力アップを目指してみてはいかがでしょうか。