社会人が独学で英語学習をすることは可能か?勉強法とコツを紹介

英語学習をしようと思った時、まずは独学でと考える人は多いと思います。では実際、何かと忙しい社会人が独学で英語学習をすることは可能なのでしょうか。 結論を言えば、答えはイエス。

 

留学はもちろん、スクールやオンライン英会話などのレッスンを受けなくとも独学で英語の上達は十分可能です。独学でカギとなるのが「英語の勉強を継続できるか」ということ。また、「自分に合った正しい勉強法」で学習を進めていけるかも非常に重要です。 

 

そこで今回は、独学の英語学習者向けに、この2つのポイントについて詳しくお話していきます。

 

 

1.独学で学習を始める前の準備

1.独学で学習を始める前の準備

 

独学で学習を始めようと思った時、まず始めに「どんな方法で学習しようか」「どの教材を使うのがいいか」と考える人が多いはず。もちろん学習法や教材を正しく選ぶことは重要ですが、それよりも先に考えてほしいことが2つあります。

 


1-1. 今の英語力レベルを知る

まずは、今のあなたの英語力を把握しましょう。「私は初心者だから」「文法はわかっているつもり」と思わず、何かしらのテストを受けることで、実力を数値化しておくことが大切です。


そうすることで、適切な学習法や教材を選ぶことができるのはもちろんのこと、学習を進めていく中で、目に見える形で英語力の伸びを知ることができるので、その後のモチベーション維持にもつながります。英語力の測り方は、【3-5. 学習の進捗状況や上達が確認できるツールを活用】の中で詳しくご紹介します。

 


1-2. 目指したい英語力を具体的にイメージする

あなたの英語力のゴールは何ですか? 「TOEICでハイスコアを取ること」「将来のために」などの目標からもう一歩踏み込んで、磨きたい英語力を具体的に考えてみてください。補足すると、ここでいう英語力とは、スピーキング・リスニング・リーディング・ライティングの4技能のことを指しています。


本物の英語力の習得には話す・聞く・読む・書くの4技能の総合力を高めることが得策ですが、人によっては一定の能力しか必要としていなかったり、4技能の中でも特に伸ばしたい能力が違ったりすると思います。


自分の磨きたい英語力を具体化できれば、今あなたが何から取りかかるべきなのかがより明確になり、計画的に効率よく学習が進められます。学習の途中で目標が変わることは問題ありません。時々目指すゴールを振り返ることで、遠回りの学習法になっていないか、確認することが大切でしょう。

 

 

2.最も重要なのは「継続できる方法」で学習すること

2.最も重要なのは「継続できる方法」で学習すること

 

「英語学習のやり方」と検索すると、様々な学習法が紹介されているのを目にしますよね。アプリを使うのか、書籍で勉強するのかまず迷いますし、たとえ書店に足を運んでも、教材や本の種類が多すぎて、結局何から始めたらいいのかわからなくなったことはありませんか?


結局のところ、どの学習法が一番効果的なのかは、あなたが実際にやってみないとわかりません。なぜなら、その人のライフスタイルや性格、英語力のレベルや目標によって、本当に合う学習スタイルは違うからです。


ただ、それでも英語学習者全員に共通して言えることが1つあります。それは、「継続できる方法」で学習をするということ。少し厳しいことを言うようですが、どんなに優れた教材や方法で勉強していても、続かないのでは何の意味もなくなってしまいます。


英語は、生涯学習だと思ってください。生涯学習だと言っても、毎日勉強しろと言うのではありません。そこで、次の章では「英語学習を続けるための勉強法とコツ」について詳しくお話していきます。

 

 

3.独学で英語学習を続けるための勉強法とコツ6つ

3.独学で英語学習を続けるための勉強法とコツ6つ

 

仕事に家庭にプライベートにと忙しい生活を送る社会人が、どうすれば英語学習を続けることができるのか、そのコツと勉強法は以下の6つ。

 

・英語を「好きなことをするためのツール」にする

・忙しいからこそ「スキマ時間」でなく「決めた時間」に学習

・学習の追い込み期間とリラックス期間を設ける

・英語学習ができない日があってもいい

・学習の進捗状況や上達が確認できるツールを活用

・「正しい勉強法」と「続けられる勉強法」とは

 

それぞれ詳しく説明していきます。

 

 

3-1. 英語を「好きなことをするためのツール」にする

まず、英語学習を続けられる人と続けられない人の大きな違いは、「英語の捉え方」にあります。

 

英語学習を続けられる人の多くは、英語が勉強だと思っていません。「英語が好き」と感じるのは、英語は無理して学ぶものではなく自分の好きなことをするためのツールであり、なりたい自分になることができる武器だからです。


一方で、英語が苦手な人・嫌いな人の大半は、「英語=勉強」だと思っている人が多いように思います。そう感じるのは、中学や高校生時代の経験やトラウマが関係しているのではないでしょうか。これまでの日本の英語教育では、主に受験のための英語を勉強させられたわけですから、そう感じるのは当たり前です。

 

しかし、本来英語は日本語と同じ「言語」であり、何かをするためのツールにしかすぎません。上達するには勉強をしなければいけないのも事実ですが、ぜひ英語に対するイメージを変えてみてください。


例えば、映画やドラマを観ることが好きな人であれば、海外の洋画やドラマを楽しんでみる。体を動かすことが好きな人は、海外の方が紹介するエクササイズ動画を調べて試してみる。買い物が好きであれば、海外のオンラインショップを見てみるなど、あなたが好きで続けられることであれば、どんなことでも構いません。

 

始めは意味がわからなくてもいいのです。内容が理解できなくても、好きなことなら知りたいという探求心が生まれるはず。それが、結果的に英語学習を続けるモチベーションにつながるのです。

 


3-2. 忙しいからこそ「スキマ時間」ではなく「決めた時間」に学習

よく「スキマ時間を上手く活用して学習しよう」というセリフを耳にします。もちろん理想的な学習法ではありますが、相当モチベーションの高い人でない限り、スキマ時間を活用して勉強を続けるのは難しいのではないかと思います。


ただでさえ仕事で疲れているのに、通勤ラッシュや帰宅ラッシュの電車の中で単語帳を見て、仕事の休憩時間にアプリで勉強、夜寝る前のリラックスタイムに長文を1つ読むなどして英語を勉強しようという活力はわいてくるでしょうか。寝たい、音楽を聴きたい、テレビを観たいと思う人の方が多いのではないでしょうか。


そんな誘惑に負けず、自分を律することが得意だという方は別ですが、自分はそうではないと思うのであれば、ぜひ決めた時間に学習するようにしてください。

 

朝起きてから、帰宅してから、夜寝る前の時間に。あなたが一番頑張れる時間帯で構いません。慣れるまでは骨が折れると思いますが、一度習慣になってしまえばできるものです。少なくとも「スキマ時間にやろう」と思っている時よりは、学習時間を増やせると思います。

 


3-3. 学習の追い込み期間とリラックス期間を設ける

少しでも早く上達を実感しようと思ったら、ある程度の期間集中的に学習することは必要。ただ現実的に考えると、ずっと頑張り続けるのは簡単なことではありませんよね。


そこでおすすめなのが、学習の追い込み期間とリラックス期間を設ける方法。人によって仕事やプライベートで忙しい時期は違うと思うので、一度これからのスケジュールを振り返ってみてください。仕事の繁忙期やプライベートでイベントがある時期などはリラックス期間、比較的落ち着いている時期は追い込み期間としましょう。期間の単位は、1週間単位でも1ヶ月単位でも構いません。


追い込み期間は、気持ちを奮い立たせて、いつもより多い勉強量をこなしてください。その代わり、リラックス期間はできる範囲の学習にしましょう。そうすることで、短期的にでも集中して学習することができますし、無理しすぎることで挫折してしまう危険性も減らすことができます。

 


3-4. 英語学習ができない日があってもいい

真面目な人ほど「英語学習を始めたからには、毎日やらないといけない」とプレッシャーを感じているのではないでしょうか。そうすると、どうしても勉強できない日があった時に「やっぱりだめだった」と英語学習を諦めたり、モチベーションを大きく下げたりしてしまう可能性があります。


英語学習は継続が大切ですし、毎日学習できるに越したことはありません。しかし、ここでの「継続」が「毎日」を意味しているわけではありません。もっと長期的な意味で継続学習できることの方が、よっぽど重要です。


仕事やプライベートが忙しくてできない日があっても、そんな自分を許してあげてください。また次の日にやればいい。次の日もだめだったら、またその次の日に頑張ればいい。ここでの「また明日」は自分を甘やかすこととは違います。普段頑張っている自分をいたわってあげる、認めてあげるという意味で、このことを心に留めておいてください。

 


3-5. 学習の進捗状況や上達が確認できるツールを活用

継続学習で忘れてはならない課題の1つに「モチベーションの維持」があります。モチベーションを維持する上で効果的なのが、どんな小さな変化でも定期的に上達を実感すること。そのための一番わかりやすい方法は、英語力を「見える化」することです。

 

ここでは、英語力を簡単に測ることができるサイトや方法をご紹介します。


ただ、その前に1つ知っておいてほしいのが、学習に費やした時間と英語力は比例して伸びていかないときもあること。英語力はよく、バケツに入れた水に例えられます。水道をひねってバケツに水を注いでいった時、外から見ている分には、どこまで水が入ったのかを知ることはできません。しかしバケツの容量に達すると、ある時一気に水があふれ出します。


英語力はこのバケツの水と同じで、ある時急にあふれ出すもの。それまではなかなか上達を実感できないかもしれませんが、あなたが学習に費やした時間は、英語力として確実に蓄積されていきます。しかし、一度英語力があふれ出した後も、停滞期は必ずやってきます。それは、あなたの英語力がもうワンステップ上がった証しでもあるので、決して諦めないでください。

 

 

3-5-1. 資格試験を受験

もし時間とお金に余裕があるのであれば、ぜひ資格試験を受験することをおすすめします。資格試験は英語力を測ることができるだけでなく、正式な英語力の証明書として利用することもできるので一石二鳥。


社会人の方に一番人気なのは、やはりTOEICテスト。日本の多くの企業が英語力の証明として活用していること、全国各地で年に10回受けられる手軽さがあるからだと思います。ただ、一般的に知られているTOEICテストはリスニング&リーディングテストなので、その他の2技能を測りたいのであれば、TOEICのスピーキング&ライティングテストを受けましょう。


また、英検であれば1回の受験で4技能を測ることができるのでおすすめです。(ただしスピーキング面接に挑めるのは、1次試験を突破した場合です。)なお、英検は公式ホームページで1次試験の過去問を無料で公開しているので、自宅で問題を解いてみることもできます。


その他に、自宅がPCとインターネットのつながる環境であれば簡単に受験可能なテストとして「CASEC」というものがあります。受験直後に結果を知ることができ、学習に役立つフィードバックがもらえるだけでなく、目安の英検の級やTOEICスコアも教えてくれます。試験時間は40~50分くらいで、受験料も他の試験より比較的安い料金で受けることができるので手軽です。


ただし、他の資格試験に比べるとまだ認知度は低いので、正式な英語力の証明としては使えないケースもあります。その点はご注意ください。

 

 

3-5-2. 無料で使える英語力診断サイト

もっと手軽に英語力を測りたいということであれば、無料で使える英語力診断サイトをご活用ください。ここでは、特におすすめの2つのサイトをご紹介します。

 

まず1つ目が、「英語力測定テストNHK」です。レベルは基礎編と応用編の2種類。国際標準CEFRのレベルであなたの実力を教えてくれます。

 

英語力測定テストNHK」

 引用:https://eigoryoku.nhk-book.co.jp/

 

 

2つ目に紹介したいのは、アルクの「英語レベル診断テスト」

 

アルクの「英語レベル診断テスト」

引用:https://www.alc.co.jp/tg/level/

 

「英単語力無料診断」の他に、会員登録(無料)することで「TOEICミニ模試」、「リスニング力診断テスト」を受けることができます。学習アドバイスやおすすめの教材を教えてくれますよ。

 

 

3-5-3. 簡単に発音チェックできる方法

4技能はある程度テストで測れても、発音が合っているかを確認するのは難しいですよね。そこでおすすめなのが、スマートフォンを使った無料でできる発音チェック方法です。


もしiPhoneをお持ちであれば、Siri機能をご活用ください。設定でSiriの言語を英語にするだけで、簡単に使い始めることができます。(英語にもいくつか種類がありますので、ご自身が学習している地域の英語に設定してください。)やり方は、ただ英語で話しかけるだけ。あなたの発音が正しければ正しくキャッチしてくれますし、間違っていれば違った言葉や文章が表示されます。正しい発音で聞き取ってもらえるまで、練習してみてください。


その他にGoggle翻訳でも同じやり方で発音をチェックすることができます。準備としては、Google翻訳アプリをダウンロードして、言語を設定するだけ。無料で利用できますので、ぜひ試してみてくださいね。

 


3-6. 「正しい勉強法」と「続けられる勉強法」とは

まず「正しい勉強法」とは、あなたの目的やレベルに合った、最短で効率よく英語力を身につけるための方法のことを言います。一方で「続けられる勉強法」とは、あなたのライフスタイルや性格に合った、長期的に続けることができる方法を指しています。

 

英語力を磨くには、この両方の学習法を身につけることが必要不可欠。ここまでは「続けられる勉強法」についてお話してきましたが、最後の章で「正しい勉強法」についても少しご紹介していきます。

 

 

4.モチベーションも上がる!英語学習法が知れるおすすめ動画3選

4.モチベーションも上がる!英語学習法が知れるおすすめ動画3選

 

第2章の冒頭で少し触れましたが、世の中には「正しい勉強法」「効率の良い学習法」と言われるものが多く存在します。それはなぜか。人によって、本当に合う学習法が違うからです。


とは言え、合うかどうかはやってみないと分からない。しかし、それだと結局時間がかかるのでは、と疑問に思う人もいるでしょう。少しでも早い段階で自分に合った学習法を見つけるコツは2つ。1つ目は、独学での上達実績がある英語学習者のブログや記事をたくさん読む、話を聞くこと。2つ目は、自分が共感できる学習スタイル、方法を試すことです。


ここでいう共感とは、「この学習法なら確かに上達できそうだ」「この方法なら続けられそうだ」と思えるかということ。そう感じることができたのであれば、後はその人を英語学習のメンターとし、その人が辿った学習の道のりを真似ていけばいいのです。


ここからは、三者三様な英語学習者の学習法を知れるYouTube動画を3つご紹介します。

 


4-1. 何から学習を始めたらいい?疑問を解消!バイリンガール英会話

このチャンネルの開設者である吉田ちかさんは、幼少期から大人になるまでアメリカで過ごした英語ネイティブですが、その彼女がJapan Times STの編集長と対談をした【TOEIC満点の国産バイリンガルが語る英語学習法!「まずは何からすればいいの?!」〔#412〕】という動画があります。


この動画の中で編集長の高橋さんが、ご自身の経験をもとに、英語学習の始め方について熱く語ってくれています。辛口な一面もありますが、参考になる部分は多いと思うので、ぜひ一度視聴してみてください。

 

 

 

4-2. 1年で英語力ゼロから英会話講師へ!

AK-English「学校の英語の成績は10段階中2」だったけど「英語力ゼロから1年で英会話講師」になり、その後は「通訳者や自身の英会話スクール開講を経て、カナダから仕事のオファーを受けたことをきっかけに移住」したAK-EnglishのAkaneさん。


経歴を聞くだけで興味が沸いてくると思いますが、そんな彼女が自身の英語学習法について話してくれている【超短期間で上達した英語勉強法!】という動画があります。4技能の中でも特に英会話力を伸ばしたい方には、目から鱗の学習法が知れる、とても観る価値の高い動画です。

 

 


4-3. 資格試験の具体的な対策法が分かる!

Atsueigo日本生まれの日本育ちでありながら、現在はオーストラリアで世界4大会計事務所の1つに勤務しているという、輝かしいキャリアをお持ちの西方篤敬さんという方が開設した「Atsueigo」というチャンネルがあります。


西方さんがすごいのは経歴だけでなく、あらゆる資格試験で満点やハイスコアを持っているということです。チャンネル内では、資格試験の対策法や自身の英語学習法を詳しく紹介してくれています。特に資格の取得を目指している方には、大変おすすめのチャンネルです。

 

 

 

5. 最後に

5. 最後に

 

独学での英語学習を行う上でのコツや勉強法についてお話してきましたが、いかがでしょうか。

 

独学での勉強はお金がかからない分、自己管理力がとても重要。しかし、コツさえ掴んで継続学習ができれば、どなたでも上達は可能だと思います。


ただ、スピーキング力アップに欠かせない話す練習に関してだけは、実際に相手がいる中での会話練習が必要。英語を話せる機会を得るためにEnglish Cafeや外国の方が多く集まるコミュニティに足を運んでみたり、オンライン英会話や英会話スクールへ通ってみたりするのも1つの手段として検討してみてはいかがでしょうか。

  
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