・英語での電話やメール、海外からのお客様対応など、仕事で英語を使う場面がたくさんある
・いつも辞書を片手に仕事をしている
そんなあなたへ。
今回はビジネス英語の基本表現を徹底解説します。
日常英会話は何とかなるけれど、フォーマルな表現が求められるビジネス英語では、何から始めていいのかわからないという方に、よく使う基本のビジネス英語の表現をご紹介します。
Contents
1. 初心者が最初にマスターしたいビジネス英語
多くの人が英語で対応しなければならないのは電話やメール、あるいは顧客とのファーストコンタクト段階の会話ではないでしょうか。
初心者の方は複雑な英語表現や難易度の高いフレーズ・単語を覚える前に、まずは相手との最初のやりとりをスムーズにできるようにすることを目標にして、よく使う便利な表現をマスターしましょう。
1-1. 電話やメールのやりとり
多くの人が対応を求められるのは対面でない電話やメール。内容によっては一人ですべて対応する必要はありませんが、基本的な表現をマスターしていれば問い合わせがあっても安心です。
電話の場合、電話を受けたときの挨拶、内容を確認するときの表現、必要に応じて担当者へとつなぐ表現を押さえておくことをおすすめします。
一方、メールの場合、よくあるシーン別の文例やテンプレートをいくつかストックしておいて、いつでも使えるようにしておくのが便利です。英文メールでよく使う件名や署名などのルールもあわせて覚えておきましょう。
1-2. 対面でのやりとり
電話やメールと違い、対面で英語を使うシーンは業種や職種によってさまざま。ただ、誰でも何かをお願いしたり、お礼をしたり、自分の意見を伝えたりすることは多いと思います。
今回の記事では、多くの人が使う依頼、お礼、自分の意見を伝えるといったシーンに絞って、よく使う表現をご紹介します。
2. 電話対応でよく使う英語表現
英語での電話対応は一通り型を覚えてしまえば怖くありません! まずは定番の型をダイアローグでご紹介。例文で使われている表現を確認しながら、ご自身の会社名、お名前に置き換えて声に出してみてください。
A: ABC Solutions, Haruka speaking. How can I help you?
ABCソルーションです。私、遥がご用件をおうかがいします。
電話を出るときは会社名を言った後にHow can I help you? を使うのが定番です。例文のように会社名の後に自分の名前を言う場合もあります。
B: Hello, this is Sarah Brown. May I speak to Mr. Ota, please?
サラ・ブラウンと申します。太田さんはいらっしゃいますか。
電話で名乗るときはthis is ~を使います。電話で「~さんいらっしゃいますか」の意味でよく使うのはspeak to ~です。次に紹介するput throughを使って、Could you put me through to Mr. Ota? という表現をすることもできます。
A: One moment, please. I’ll put you through.
少々お待ちください。おつなぎします。
電話を誰かにつなぐときの表現はput through。よく使いますので覚えておきましょう。
A: Ms. Brown? I’m sorry, he’s on another call.
ブラウンさん、申し訳ございませんが太田は別の電話に出ております。
すぐに電話をつなげない場合は、「別の電話に出ている」など簡単に理由を伝えます。
A:Would you like to leave a message?
伝言を賜りましょうか。
メッセージを残す、つまり伝言をするという意味でleave a messageは電話でよく使います。何か伝えることがある場合には会話が続きますが、特に何もない場合はNo, thanks. I’ll call again later.(のちほどかけなおします)と言われることもよくあります。
B: Yes, could you ask him to call me back?
意味:ええ、折り返しお電話いただくようにお伝えいただけますか。
「折り返し電話をかける」は、call backを使います。
B:He has my office number, but let me also give you my cell-it’s XXX-XXXX-XXXX.
意味:彼は私の会社の番号はご存知ですが、私の携帯電話の番号もお伝えしておきますね。
相手から会社の電話番号以外に携帯電話の番号を伝えられることがあります。そのときには、メモを取りながら聞き取って復唱しましょう。
A: Thank you. Let me read that back to you―XXX-XXXX-XXXX.
ありがとうございます。番号を復唱します、XXX-XXXX-XXXXですね。
B: That’s right.
そうです。
A: I’ll give him the message.
彼に伝えておきます。
B: Thanks a lot. Bye.
ありがとうございます。
A: Thank you for calling.
お電話ありがとうございました。
復唱するときの表現はread back。番号の確認のときによく使いますので覚えておきましょう。
2-1. 電話を受けるときの定番フレーズ
電話を受けるときの一通りの表現は上のダイアローグでご紹介しましたが、ほかにも知っておくと便利なフレーズを選びました。
英語:May I ask who’s calling?
意味:お名前をうかがってよろしいですか。
まれにいきなり「~さんいらっしゃいますか」と言って名乗らない人がいます。そんなときに使えるのがこの表現です。
英語:I’m sorry, he’s not available at the moment.
意味:申し訳ございませんが、彼は今電話に出ることができません。
別の電話に出ている、会議中など具体的な理由を言わなくても、この一言で十分対応できます。覚えておくと便利ですよ。
英語:I’ll get in touch in a couple of days.
意味:数日のうちに改めてご連絡いたします。
すぐに折り返し電話ができない案件の場合に使います。ただ、できるだけ早く連絡するのがマナーなのでやむを得ない場合に使うようにしましょう。
簡単ではありますが、電話を受けるときの表現をご紹介しました。続いて電話をかけるときの表現をさらに見ていきましょう。
2-2. 電話をかけるときの英語表現
英語で電話をかける場合は、それぞれ用件が違うもの。用件ごとの英語表現はご紹介しきれませんが、一般的に電話をかける場合によく使う表現をご紹介します。
英語:I’m calling about the job interview tomorrow.
意味:明日の面接ついてお問い合わせしました。
担当者がわからない場合、用件を伝えることで担当の部署につないでもらえます。call about ~の表現でaboutの後に用件を続けることができます。
英語:I’m calling to pre-register the media relations conference.
意味:メディアリレーション会議に事前参加登録をしたくご連絡しました。
電話の目的が明確な場合、call toを使うこともできます。
英語:Please tell him that I sent the document by mail.
意味:書類を郵送したと伝えてください。
具体的な用件がある場合は、Please tell ~で伝言をお願いすることもできます。
英語:Is Tomo there?
意味:智さんはいますか?
気心知れた関係の場合、インフォーマルな表現ですがこのような言い方をする場合もあります。丁寧な表現ではないものの、相手と親しいときはよく使われます。
電話をかけるときの表現の勉強はどちらかというと後回しでOKです。まずは電話を受けるときの表現をマスターしてから、相手がこんな表現を使う可能性がある……というくらいの意識で電話をかけるときの表現を学習するようにしてみてください。
3. ビジネスメールでよく使う英語表現
仕事で英語を話す機会はなくても、英語でメールをするというあなた。返信するのに時間がかかってしまうという方は、内容問わずよく使う表現をマスターすることから勉強を始めてみましょう。
3-1. 書き始めと締めくくりの英語表現
英文のメールでは、時候などの挨拶文を書くという習慣やルールはありません。「〜の候、ますますご健勝のことと……」という日本語を英訳して入れることは考える必要はありません。
ですから、「〜についてお知らせします」「〜について確認します」というように用件から書き始めることが多いです。早速よく使う表現を見ていきましょう。
英語:I/We would like to inform you that ~
意味:〜についてお知らせいたします。
英語:I am writing on behalf of ~
意味:〜についてメールしました。
英語:I am writing to ask you for some advice on ~
意味:〜について助言いただきたくご連絡しました。
英語:I am writing to confirm the schedule of lunch meeting next week.
意味:来週のランチミーティングのスケジュールを確認したくご連絡しました。
用件から入らない書き出し方法としては、次の「ご連絡ありがとうございます」や久しぶりに連絡する人には「お元気でしょうか」という表現がよく用いられます。
英語:Thank you for your e-mail.
意味:ご連絡ありがとうございます。
英語:I hope email finds you well.
意味:お元気でしょうか。
メールの締めくくりは、書き始め同様に、最後に必ず挨拶文を入れるという習慣やルールはありません。ただ、よく文末に使われる表現はありますので、覚えておくと便利です。
英語:I look forward to hearing from you.
意味:ご連絡お待ちしております。
英語:Thank you for your consideration.
意味:ご検討のほどよろしくお願いいたします。
英語:Thank you for your assistance.
意味:お世話になりありがとうございました。
英語:I am looking forward to seeing you again soon.
意味:またお会いできるのを楽しみにしています。
英語:Your kind attention would be appreciated.
意味:今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
英語:If you need further information, please do not hesitate to ask.
意味:さらにお知りになりたいことがありましたら遠慮なくお問い合わせください。
ご紹介した一覧のように、書き出し、締めくくりの表現を覚えておくと英文メールを作成するたびに悩むことがなくなります。
ネイティブスピーカーからの返信を見ると気づくと思いますが、メールではシンプルに用件を伝えることが多いので、あまり悩む必要はありません。上で紹介したような表現を使って、用件についての英文作成の方にエネルギーと時間を費やしてください。
3-2. 英語のメールの件名に使う表現
メールを受け取る側だったら、日々たくさんのメールを扱うのですぐに内容がわかるようにしておいてもらえれば嬉しいですよね。英語でもひと目で内容のわかる件名を書くのは大切です。
具体的な方法としては、伝えたい内容が「通知」なのか「依頼」なのか「相談」なのかを確認し、それに見合った件名を作成するのがおすすめ。
英語:Notice of a Special Budget Meeting―Tue. Jan.28
意味:1月28日開催特別予算に関する会議について
英語:Request for an Appointment with Ms. Yamada
意味:山田様とのアポイント申し込みについて
英語:Inquiry about Invoice #254
意味:請求書No.254についての問い合わせ
件名は短すぎるとスパムメールや迷惑メールとして扱われてしまうことがありますので注意が必要です。また、すべての単語を大文字にして書くのも迷惑メールとして扱われやすく、印象もよくないので避けましょう。
3-3. 「添付」「署名」などメールならではの英語表現
「添付」や「署名」など、メールとは切り離せない表現があります。一度覚えてしまえば、実践の場で迷わず使えますし、相手からのメールに書かれていても情報を得られます。
英語:I have attached the application form for XXX Conference 2020.
意味:2020年の〜会議申し込みフォームを添付しました。
英語:A draft of the new fiscal year planning meeting minutes is attached for your review.
意味:新年度企画会議の議事録案を添付しました。
attachは「添付する」という意味です。
英語の署名に書く内容も日本語と大きな差はありませんが、チェックしておきたいポイントがいくつかありますのでご紹介します。以下は、よくある署名の書き方です。
(Ms.) Rie Saito
Coordinator, International Relations
ABC Corporation
Tel: +81-3-5772-xxxx
Fax: +81-3-5772-xxxx
https://www.abc.xxx.com
まず、名前の前についた(Ms.)は、面識のない相手に送るときによく使います。これをつける理由の一つとしては、相手が返信する際にMr.とするのかMs.とするのか迷うことのないようにすることです。
続いて肩書き、会社名と続きます。英語の署名に電話番号を書く場合には国番号もつけておくのが通例ですが、国内にいることが明確な相手であれば国番号を書かない場合もあります。
4. どの場面でも役立つビジネス英語の基本表現
目的によって覚えておきたい表現はさまざまですが、職種や業種を問わず、何かを依頼する、お礼をする、あるいは自分の考えを伝えたり提案したりする機会は多いもの。よく使う表現を押さえておきましょう。
4-1. 依頼やお礼のシーンで役立つ英語表現
まずは依頼の表現。依頼するときによく使う表現には丁寧さの差があります。
英語:Can I have ten copies?
意味:10部コピーしてもらえますか。
英語:May I have your name, please?
意味:お名前をうかがってもよろしいですか。
Can Iはビジネスでも使います。ただ、より親しい関係で使うことが多く、依頼のときに使うcan、could、Would you mind if、mayを比べるとcanが最もインフォーマル、右ほどよりフォーマルな表現で、mayが最もフォーマルな印象です。
例えば予約なしでの来客など、初対面の相手に名前を確認するときにはMayをよく使います。
英語:Could you say that again?
意味:もう一度言っていただけますか。
このように英語でも日本語の「敬語」に相当する丁寧な表現があるので、ビジネス英語でよく使うCouldやMayはマスターしておきましょう。
4-2. 自分の考えを伝えるときに役立つ英語表現
アイディアを伝える場面はビジネスではよくあります。よりフォーマルな表現で意見を伝えるときに使う表現をご紹介します。
英語:In my opinion, ~
意味:私が思うには~
英語:I’m positive that ~
意味:〜だと確信しています。
英語:I suppose~
意味:〜ではないかなあと思います。
自分の意見を伝えるときに、I thinkだけを使いがちですが、ビジネスではI thinkだけを多用することのないように気をつけましょう。positiveを使うとより強く思っている印象がありますし、supposeは確信がそれほどない場合に使います。
5. まとめ
職種や業種を問わず、必要最低限のビジネス英語表現は身につけておきたいもの。
メールや電話で英語を使うことの多い職業の人にも役立つ表現や用法ですので、ぜひ覚えて、スムーズに仕事を進めてくださいね!